学校長より

        『新たな拓北養護学校のスタンダードを目指して』

 

  このたびは、北海道拓北養護学校のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。

  本校は、札幌市北区あいの里地区に位置し、平成12年4月、札幌市南区にあります真駒内養護学校の過大規模化の解消を目的に分離開校した、開校26年目を迎える肢体不自由のある児童生徒の教育を行う特別支援学校です。

 昨年度の実績を踏まえ、「しなやかな拓北の子」を育成をするべく、今年度の学校経営の重点目標を次の通りに定めました。 

①「たくほくコンパス」を核とした教育課程改善と実態把握に基づく授業改善の推進

②安心安全な学校環境の改善と維持

③地域活動プログラムを含む地域と連携した教育活動の推進 

 ①にある「たくほくコンパス」とは、今までバラバラに作成していた個別の教育支援計画や個別の指導計画等をシステム上で一つにまとめました。また、今まで教師の主観だけで実態把握していた部分を、学習指導要領とリンクした実態表を活用して実態把握を行うことができるようにしました。このことから、児童生徒を多角的に捉えることで、より児童生徒に合った教育課程を編成し、授業改善に結びつけたいと考えています。昨年度と手法は異なりますが、学校の根幹である授業の充実を目指した目標です。

 ②は、医療的ケアや摂食指導の安全な実施を含めた児童生徒の安心安全な教育環境の維持と改善です。本校は医療的ケア対象の児童生徒が34名在籍しています。この他に重度重複の児童生徒が数多く在籍しています。児童生徒一人一人の毎日の健康管理と維持を行うことも学校の大切な役割です。中でも、防災体制の改善には力を入れていきたいと考え、昨年度一部の生徒のみ行った校外への避難訓練を全ての児童生徒対象に実施を計画しています。現在、防災担当で避難訓練の方法を検討中ですが、教員の自家用車を使用した訓練とともに、一部の児童生徒においては保護者の方にもご協力いただき、教員の自家用車と一緒に避難訓練に参加していただきたいと考えています。人数の関係から一度に全校では実施できないため、事前のシミュレーションも含め、学部単位での実施を考えているところです。

 ③は、今年度から年に7回ほど、地域と連携しながら放課後の時間を活用して、レクレーションやミニコンサート、販売会などのイベントを行います。コロナ禍で一度分断された地域との連携を再構築するとともに、コミュニティスクールを中心とした今の時代に相応しい学校の在り方を模索していきたいと考えています。この他に、地域公開や公開授業研究会の実施、札幌あいの里高等支援学校が主催するあいcircleなどへの参加を通して、学校の取組を発信していきます。これら新しい取組を拓北養護学校のスタンダードにするべく、教職員一丸となって教育活動を推進して参りたいと思います。

 最後になりますが、開校からの伝統も大事にしながら、3つの重点目標の達成を目指し、今年度も児童生徒の「自立と社会参加」の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えていますので、今後とも本校の教育活動に対しまして変わらぬご理解と一層のご支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。    

 

                      令和7年4月  校 長  仲 條 正 輝