学校長より

『ひとつ上の拓北養護学校を目指して』

 このたびは、北海道拓北養護学校のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。
 本校は、札幌市北区あいの里地区に位置し、平成12年4月、札幌市南区にあります真駒内養護学校の過大規模化の解消を目的に分離開校した、開校25年目を迎える肢体不自由のある児童生徒の教育を行う特別支援学校です。
 昨年度の途中で感染症対策も緩和され、手探りではありますが、地域や外部の方と少しずつではありますが、繋がりを持つことが出来ました。
 昨年度の実績を踏まえ、今年度の学校経営の重点目標を次の通りに定めました。

①児童生徒の発達段階に合った学びが楽しくなる授業作りと授業改善の推進
②安心安全な学校環境の構築と維持
③人格・人権を尊重し、児童生徒の自己有用感が向上することを目指す 


 ①は、学校の根幹である授業の充実を目指した目標です。
 楽しく授業を受けたり、楽しく学ぶことは児童生徒の学力や教育活動の定着のパフォーマンスを上げる上で必要不可欠なものだと考えます。
 本校の児童生徒の学習活動は体験を通して学ぶことが多いですが、様々な仕掛けや児童生徒一人一人の発達段階に合わせた授業を実施し、楽しく学ぶことを積み重ねることで、本校の学校教育目標にある「しなやかに育つ拓北の子」の育成に繋がると考えます。今年度も地域や保護者の皆様と連携しながら、コロナ禍で培ったICTの活用、公開授業研究会など、様々な方法で授業力向上と学ぶことが楽しい学校を目指し、教職員一丸となって教育活動を推進して参りたいと思います。
 ②は、児童生徒が安心安全に学校生活が送ることが出来るために、学校環境を整えることです。本校は医療的ケア対象の児童生徒が31名在籍しています。この他に重度重複の児童生徒が数多く在籍しています。児童生徒一人一人の毎日の健康管理と維持を行うことも学校の大切な役割です。また、近年は能登半島地震を始め、自然災害がいつどこで起こるか分からない状況です。本校の児童生徒は多くが日常的に車いす等を利用したり、歩行に課題を抱えているが故に、迅速な避難が難しいことが想定されます。学校全体として災害が起きた場合どのように児童生徒を迅速且つ安全に避難させることが大きな課題であると考え、今年度は一日防災学校を活用し、地域の方の協力を仰ぎながら、大規模な避難訓練を計画し、災害への備えをしていきたいと考えています。
 ③について、欧米では情緒の安定や社会性、コミュニケーションスキルなど非認知スキルの獲得が重要であると考えられています。本校も児童生徒の状況を鑑みると、非認知スキルの獲得は重要です。非認知スキルの獲得は児童生徒の精神的健康に繋がり、強いては、幸福感を高め、心と体の間にポジティブな関係を生み出すことで自己有用間が高まると考えます。
 3つの重点目標の達成を目指し、開校からの伝統も大事にしながら、今年度も児童生徒の「自立と社会参加」を目指して取り組んでまいりたいと考えていますので、今後とも本校の教育活動に対しまして変わらぬご理解と一層のご支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

    

 

 

 

 

 

 

 

                      令和6年4月  校 長 仲 條 正 輝